『与那国〜それぞれの四十九日〜』

「結果から言って、私は席を立つことができなかった。そういう強い磁力が『与那国』にはあった。
 友人の死から始まった本作の撮影。武井監督は初めこそ「事実の究明」によって死の無念を論理的に晴らすことに焦点を当てていたが、徐々に疑念を募らせていく。被写体の言動の虚実に明確な線引きを与えたところで、それが果たして何になるというのだろうか?
 彼はいつしか事実を愚直に追い求めることをやめ、被写体の発する魂のほうへと向かっていく。そしてそれら魂の交点上に、在りし日の友人の魂もまた影画のように浮かび上がる。葛藤と迷走のなかで少しずつ不可視のものが立ち上がっていく映画的ダイナミズムに私は打ち震えた。」支配人:岡本

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監督:武井杉作