『自画自讃』

新型コロナウイルスの流行と同時に始まった高校生活。

歩(下川恭平)にとってはこの3年間が、ずっと長かった。

高3の夏、演劇部の卒業公演は中止になった。

突然幕を下ろした演劇部としての日々と迫りくる大学受験。

11月、歩は周りの仲間たちよりもだいぶ早くに受験を終える。

仲間たちが頑張っている学校という空間には、歩の居場所はなかった。

元演劇部員の詩(立崎空)やれお(今井柊斗)も進路が決まった。

一方、なぎさ(上田理心)や花音(野口天音)は受験と戦っているようだ。

「きっと卒業式は泣けないんだろうな」

「そうだね」

卒業を間近にしてもまだ、3年間は長いままだった。

そしていま、彼らの最後が幕を開ける—

監督・脚本・撮影・編集:村田夕奈